どっかで紹介されていたので読んだんですが、よい本でした!
この本の主題は、たった一つ
「能力は伸ばせるものである。能力を生まれつきで変わらないものと思い込んでいると、それは伸びないし、人生に問題を与える。」
ということが繰り返し書かれています。
347ページありますが、ほとんどこれだけです。
ただ、確かに非常に重要なことだと思います。
この本曰く「人間は変わらないと思い込んでいるコチコチマインドセットの人間」は次のように考えてしまう。
①人間は生まれつき、頭の良い人間、悪い人間がいる
↓
②努力してもそれは変わらない
↓
③努力してうまくいくことは、能力の証明にはならない
↓
④努力せずに成功することが自分が優れていることの証明である
↓
⑤つまり、努力したのに失敗したとしたら自分は優れていないと証明されたことになってしまう
↓
⑥そうなったら大変なので、少しでも失敗しそうなことはやらないし、もちろん努力をしない
↓
⑦結果 努力しないので何も成果が上がらない
↓
⑧失敗したら自分が優秀ではないということになってしまうので、すぐに他人のせいにする
↓
⑨自己反省しないしやり方も変えないので、何もよくならない
⑥~⑨の繰り返し
恐ろしいですね…。
「コチコチマインドセット」の逆は「しなかやマインドセット」です。
しなやかマインドセットの人は、失敗しても、そこから何かを学び取ろうと思い、自分が優秀だとか優秀じゃないとかに結び付けないので、成長できるし、成果もあげられるんです。
何度となく、ハッとさせられました。
私も仕事をしてきて25年ぐらいになるんですが、仕事のできない人って「思い込み」が強い人が多いな、と思います。
ちょっとした人の行動を見て
「あの人は箸の持ち方がなっていないから、育ちが悪い。ロクな人間じゃないに決まってる。」
みたいなことを言う人です。
そういう人って他人のことをずーっと見てるんですよね。
それで
「あの人のああいうところがよくない」
と他人を断罪することに時間を使ってしまいます。
そんな時間があるなら、別のことをしたらいいのにな~ って思うんですが、つまりそれって
「人間は変わらない」
「自分は優秀 ○○さんは無能」
という考えの裏返しなんですね。
人間関係、恋愛・友人関係もそうで、
「相性がいいから」
「運命の相手だから」
ということで相手も変わらないし自分も変わらないと考えていると、何かやっていけない問題が立ち上がった時に、相手と話し合わず、相手がどうしようもない人間だと決めつけてしまうようです。
人間関係というのは常に努力が必要だと私も思ってますが、コチコチマインドセットの人は人間関係に努力が必要とは思ってないんですね。
少し話が広がるんですが、生きづらい世の中 と言われて久しいですが、上記のような思考に世間が取りつかれている気もします。
「完璧な人は生まれながらに完璧である」
という幻想です。
大谷翔平は努力しているからすごい人なわけですが、完璧なところに皆さん目が行きがちなんだと思います。
ご本人はインタビューなどで、
「僕に才能はない」
と話しているのも
「またまた~ 謙虚ぶっちゃって」
となるわけです。本人が
「とにかく練習した。」
と話しているのでそれを素直に受け止めたらいいんじゃないでしょうか。
そして、誰か何か悪いことをすると、いきなり悪い人というレッテルを貼り、すべてを否定するのはよくない気がします。
誰にでも悪いところはあるし、失敗することもあるし、人は変われるので。
この前街を歩いていたらワイルドという詩人の詩が書いてありました。
「人を一目で判断してはいけない。
どんな聖人にも過去があり、どんな罪人にも未来がある。」
自分がコチコチマインドセットにならないように気を付けていきたいです。