この本、めちゃくちゃいい本で、実のところ3回読みました。
ぜひ、みなさんに読んでほしいです!!!
が、どうですか?このタイトル。
「とっつきにくいな~」
とか
「なんか営業マンとかが読む本でしょ?自分には関係ないわ。」
とか
「難しい理論とか駆け引きとかのテクニックなんでしょ?」
と思いませんでした?
私は思いました。ビジュアルもちょっととっつきにくいですしね。
でも全然違う中身です。
めっちゃ平たく言うと、そういう駆け引きとかではなく、お互いに利益のある方法でゴールを見つけようという話です。
これは、あらゆる利害が衝突する人間関係で有効な話です。
職場の顧客や取引関係はもちろんのこと、上司・同僚・部下、家庭、恋人、友人、サークルの仲間、近所、大家、などなどです。
で、もう一度書きますが、本当に全大人に読んでほしい。(ゼン・ターレンではなく、大人全員という意味です)
それは、この本のある部分が私は一つの生きていくヒントになる気がするからです。
あなたは、「わからずや」に出会ったことはありませんか?
「この人、話が通じないな…。」
と。
この本では、自尊心について多くのページが割かれています。
自尊心を傷つけられた時、人は「わからずや」になってしまう。
うーん。わかりみが深い…。
そして、実は自分のほうも「わからずや」になっている危険性があるんですね。
ケンカになった時、相手が「わからずや」になってるなと思う場合がほとんどかもしれませんが、まずは自分が「わからずや」になってないか、自分が「自分のメンツ」「傷つけられたという思い」にとらわれていないか自問するのもいいと思います。
特に本書の中で覚えておきたいな~ と思うことをメモします。
・問題と人を分ける。人を非難するような話し方をすると、相手は守りに入ってこちらの言うことを聞いてくれなくなる
・相手は一人の人間。それがたとえ国対国や、裁判などだったとしても、個人の意識・考えなどはかなり判断や行動に影響を与える
・人間なので、感情が大事。例えば、メンツが立たないとかそういう理由でハードな交渉を仕掛けてくる場合がある
・関連して、自分を軽んじられていると思ってハードな交渉をしかけてくる相手もいる
自分たちを対等の相手として扱ってほしいという感情に目を向けるべき
・相手を重んじるために、相手の話をよく聞くことが大事。
・何かを取り決めるプロセスに、あらかじめ反対派を入れておくと、反対が少ない
・相手にこちらの利益を認識してもらうには、その利益が正当なものだと納得してもらうこと
・お互いが相手をやりこめることや、今まで抱いてきたイメージの補強材料としてしか話し合ってこないことも多い
・大体の議論をしている人たちが
「向こうの態度は許せない。私をコケにしたらどういう目にあうか、思い知らせてやる。」
ということしか頭になかったりする。
・昨日の行動のいい・悪いを問い詰めるより、明日、誰が何をできるかを考えよう
・問題を探そうという批判意識ほど、アイデアの邪魔になるものはない
・相手の問題は相手が解決すべきだというのは思い込み
・物事にたいする判断は自由な発想の邪魔
・パイを分け合うのではなく、パイを増やすことを考える
その場合に、複数人でブレーンストーミングするのがよい
ブレーンストーミングをする際に誰が何を言ったかなどの責任を問わないほうがよい
・交渉では例外なく共通の利益が存在している
・交渉が決裂したときにとれるベストな行動を決めておく
・どこが問題かを相手に聞いてみる
ちょっと話は「わからずや」に戻ります。
こじれるケンカというのは、一方が「何に怒っているか」「何が得たいのか」をはっきり言わないことのケースが多い気がします。
これも自尊心の問題で、自分を守りたい、プライドの高い人は何に怒っているのか言わないんですよ。
相手に自分が怒っていることを言うと、
「そんなことに怒っているのか。小さい人だな。」
と思われるのがイヤで第三者にも言わなかったりします。
こじれる喧嘩で多いのが
「どうして察してくれないの??」
とどっちかが憤慨していて、どっちかが
「そんなこと言ってくれなきゃわかんないよ!」
ということが多い気がします。
これって一番始まりが、自分のことを察してくれてないのはつまり自分を重く受け止めてくれていないのだと思って自尊心が傷つけられて始まっているので、そこがまず「わからずや」化してるんですよね。
でも、これは怒っている理由をズバッと早めに言った方がいいと私は思ってます。
人間には、相手の感情を全部わかる能力はありませんから。それを他人に求めるのは結局自分がむなしくなるだけです…。
そして、ちゃんと理由を言わないと、結局的外れな議論に終始して、生産性がなく、決裂して終わりになるか、嫌な感じをひきずってお互い歩んでいくのどっちかになっちゃいますからね。