この本、中古でなんと5900円もしたんですが、買って会社に持っていったら
M君「え??この本また買ったんですか??」
と言われまして…。 なんと2冊目を買ってしまったらしい(笑)
まぁ、詳しく話すと私が処分しようとしていたところを勉強熱心なM君が自宅に引き取ってくれたのを忘れていたといういきさつでした。
まぁ、古い本なんですけれども。
まだ2023年に通じるところはいっぱいあります。
1章 ビジネスソフトウェアの「ラストマイル」を解決する
プログラマーの皆さんは感じたことがありませんか?プログラムが出来上がってからが…長いと…!!
正確に言うと、98%ぐらいできてからが、その先の2%ぐらいにめちゃ時間がかかるんですよ。
Windowsの検索みたいだねっ!!
これは、他のお仕事とはだいぶ違うところで、ソフトウェアを作らない方にはなかなかわからない部分だと思います。
なぜかというと、ある程度できてからしかわからないことが多すぎるからです。
それを、ここでは「ラストマイル」と表現しています。
本書からの抜粋ですが
「ラストマイルで実施されるテストでは、システムのレスポンスタイム、トランザクションのスループット、可用性、セキュリティという
非機能要求が満たされているかを確認することに、多くの時間が費やされます。そして、それをテストできるのはソフトウェアが完成した後なのです。」
そう。そうなんですよ。
アプローチとしては本書曰く
「『システムのレスポンスタイムは5秒以下にする』、という決め方だとソフトウェアが完成してからしかテストできないが、
『ディスクへのランダムアクセスを1秒間に2500回以下にする必要がある』という決め方ならソフトウェアの作成段階でテストできるし、カウンタ機能をつくれば自動テストに組み込むことができる」
という話です。確かに!!
5章 オブジェクト指向エクササイズ
ソフトウェア設計を改善するために次の9つのことをやってみよう!という話です。
1.1つのメソッドにつき、インデントは1段階までにする
2. else句を使用しないこと
3. すべてのプリミティブ型と文字列型をラップすること
int とかは何の意味も持たない。時間とかなら、時間型しか渡せないので、ずっと保守性が高まる。
4. 1行につき、ドットは1つまでにすること
5. 名前を省略しないこと
6.すべてのエンティティを小さくすること
50行を超えるクラス、10ファイルを超えるパッケージは作らないこと
7.1つのクラスにつきインスタンス変数は2つまでにすること
クラスには2つ種類があんねん!とアンミカさんが言いました。
それは1つのインスタンス変数の状態を管理するクラス、2つの独立した変数を調整するクラスです。
ほう。
そして、それを混ぜてはいけません。
なるほど。。。
8.ファーストクラスコレクションを使用すること
実はですね!この本の、この部分だけを読みたくて、この本を買いました!!!
最近仕事で、コレクションをどうクラス設計すればいいか悩むことが多くあったので、ファーストクラスコレクションについて、詳しく知りたかったからです。
実際のところ、12行しか書かれていませんでした(笑)
大事なことは
・他のメンバ変数を持たせないようにする
・フィルタとか作ってもいいかもね。
・2つのグループの結合やグループの各要素に対するルールの適用なども扱ってもいいかもね
・コレクションはただのプリミティブな型の一種に過ぎないので、独自のクラスにラップする意味はある
12行だけでしたが、きっと三蔵法師がインドで仏典を手に入れたときぐらい満足できました。⊂(^-^)⊃
9. Getter, Setter, プロパティを使用しないこと
エッ
「求めるな、命じよ」
だそうです。
「求めるな、命じよ」については、下記の解説がわかりやすかったので、こちらを見てみて下さい。
https://zenn.dev/miya_tech/articles/2289a177cdf2ff
<これらのルールを見て思ったこと>
オブジェクト指向的に考えるのが難しい理由って、プログラムを書く時の思考はどうしてもオブジェクト指向と反対から始まることが多いからじゃないかと思ってます。
プログラミングの入り口は
「あるデータがあって、それをAという場合はBに、Cという場合はDに」
みたいに始まることが多いんですよね。そしてそれが膨れ上がっていくのが大体のプロセスだと思います。
そうすると、上のルールを守ることはまったくできません。
オブジェクト指向的な発想は反対側からなんですよね。
「あるデータとは何なのか。どういう役割なのか。構造はどうなっているのか。」
を決めることから始めないとなんですよね。
最近、プログラミングとは概念を構造的に伝える手段なんじゃないかと思います。
ところで、この本を中古で買ったんですが、めっちゃ線が入っていて、この本を持っていた人は大変な勉強家だったんだな!と思います。
なんかそういう本っていいですよね( ˊᵕˋ )