この本は、以前「失敗の科学」という本の感想を書きましたが、その本に紹介されていた本です。
いや、いい本です。
失敗の科学にだいぶ内容が似ていますが、要は成功するためには、
「ちょこっとずつやって、ちょこっとずつ失敗することを積み重ねることが、成功のために大事」
ということです。
起業だけではなく、コメディアン、建築家、映画、戦争まで多岐な例にわたって、こういうことがいいんだよという話が紹介されています。
いくつか印象に残った話を書いておきます。
・事なかれ主義との決別
「時にはエラーを起こすのがクールだと教え込まないといけない。事なかれ主義の安全策を取ってはならないと覚えこませるのだ。」
「デザインとは複雑かつ把握困難な様相を呈する問題を解決に導くために、批判的かつ創造的な思考を適用してそれらの問題を理解し、視覚化し、描写するための方法論である。」
これ、どっかのスタートアップとかの話かな、と思うんですがアメリカ陸軍の話なんですよ。
意外ですよね。これも、数々の失敗を乗り越えてこのようなことを教えるに至ったそうです。
・失敗の心理的影響を克服する精神的強さと、当初はすばらしく見えたアイデアに固執せずに新しいアイデアを探る思い切りが必要
・「固定的マインドセット」対「成長志向のマインドセット」
固定的マインドセットというのは、例えば困難な仕事を与えられたときに
「この仕事をするのに能力があるから成功する or この仕事をするのに能力がないからから失敗する」
となる考え方ですね。
成長志向のマインドセットというのは
「この仕事をするのに自分はどんなことを学べるだろうか」
ということを考えるそうです。
固定的マインドセットの人は失敗したときはつまりその人に
「能力がない」
というレッテルを張られることなので、失敗を極度に恐れる、自分が失敗しそうなことはやらない、という傾向にあるそうです。
一方、成長志向のマインドセットの人は、失敗したときにもそれは自分の成長の機会ととらえられるので失敗を恐れない傾向にあるそうです。
まぁ~ この話はうなずけますよね。
周りにいる人も目に浮かぶというか。他人を批判しがちな人って失敗を極度に恐れますよね。
ちなみに、子供のうちからこういう傾向があるそうなのですが、
「能力をほめずに努力をほめる」
方がいいそうです。
子供が何か達成したときに
「あなたは頭がいいから○○なのね」
というと、失敗すると
「僕は頭が悪いと思われる」
と思って、失敗を避けるようになるそうです。
ですが、
「あなたはよく努力したね」
というと、次も努力すればいいので、失敗を避けるようにならないそうです。
・質問をする
人は6歳ぐらいから質問をしなくなる。なぜかというと、それは教育の問題で、学校に行くと自然と
「質問をして先生に面倒をかけるよりも、正しい答えを導く方が優秀な生徒」
という刷り込みが行われるからだそうです。
それね~。アメリカって日本と比べると人の考え方が自由なイメージありますが、それでもそうなんですね。
大人になって、いろいろなことを聞くと、
「こいつ、何も知らないアホなんか」
と思われたりするのが怖くて質問できないという人が多いと思います。
でも、質問をしないといろいろなことがわからないですよね。自分の思い込みでいろんなことを判断するのは危険すぎます。
というわけで、いろいろと得られるものの多い本でしたが、同じような話が、同じような人の実話で繰り返されるので退屈に感じる側面もありました💦